クワイの呈味成分について : (その3)苦味成分の分離と性状
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
クワイ脂質から苦味成分を分離し,その性状について検討した。(1)クワイの総脂質は生クワイの0.28%を占め総脂質中の中性脂質,糖脂質およびリン脂質の組成は38 : 24 : 39であった。このうち,中性脂質画分で強い苦味が認められた。(2)中性脂質画分からの苦味成分の分離法としては,展開溶媒にヘキサンーエチルエーテルー酢酸の溶媒系を用いるシリカゲル薄層クロマトグラフィーが有効であった。(3)クワイの中性脂質は,シリカゲル薄層クロマトグラフィーで10個の化合物に分離された。そのうち3化合物(苦味A,BおよびC)に苦味が認められ,最も苦味の強かった苦味Bがクワイの主たる苦味成分と考えられた。さらに,苦味Bは,本実験で用いた標品(トリグリセリド,ジグリセリド,モノグリセリドおよび遊離脂肪酸)とは異なる化合物であった。(4)シリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離した苦味A,BおよびCは,温度および酸素の影響を強く受け,大気中・25℃の保存で1週間後にすでに苦味を消失していた。
- 東海学院大学・東海女子短期大学の論文
- 1986-03-31
著者
関連論文
- 青年期女性の喫煙をめぐる諸問題 : 第1報喫煙習慣および生下時体重と父母の喫煙
- ゴマとゴマ油の食用油脂におよぼす酸化抑制効果 : 第2報 食用油脂の加熱酸化に及ぼすごま油の添加配合比の影響
- 青年期女子の体重観と日常生活
- 青年期女子の体重観と自覚症状
- 青年期女性の喫煙をめぐる諸問題 : 第二報 幼児の発育におよぼす父母の喫煙
- 青年期女子学生の食生活についての考察 : 第三報 献立作成能力および年代別にみた食・健康の認識度
- 青年期女子学生の食生活についての考察 : 第二報 食意識と健康状態
- クワイの苦味成分に関する研究(その2)(食品-物性, 物理化学, 分析-)
- クワイの呈味成分について : (その3)苦味成分の分離と性状
- 菌核多糖スクレロタンのβ-(1→4)結合について〔英文〕
- 穀物種子の水溶性多糖に関する研究
- マイタケ(Grifola frondosa)子実体に含まれるα-グルカンについて(生体高分子化学-多糖類, 核酸, 複合高分子-)
- キクイモ及びヤーコンのフラクトオリゴ糖について
- 2-I-25α-トコフェロールとリノール酸メチルペルオキシラジカルの反応生成物 : 第42回大会一般研究発表
- マイタケの水溶性多糖に関する研究
- リノール酸メチルエマルジョン過酸化抑制時のα-トコフェロール酸化生成物(食品-化学(脂質)-)
- ゴマとゴマ油の食用油脂におよぼす酸化抑制効果 : 第1報 食用油の保存による過酸化物価の変動