日常経験における動機づけの検討 : 40 ・ 50 代既婚女性を対象として
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概要
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本研究の目的は, 中年既婚女性を対象として, 日常生活場面における様々なタイプの動機づけ, とりわけ内発的-外発的動機づけの経験量を測定し, これら動機づけ状況における主観的な経験の質を比較検討することであった。さらに日常, 内発的動機づけを多く報告する人(autotelic person)と少なく報告する人(non-autotelic person)の間で, 行動パターンや主観的な経験の違いについて検討した。ESM調査によって, 66名の成人女性から3871件の日常経験データを収集した。自己決定の知覚度によって動機づけのタイプを操作的に定義したところ, 内発的動機づけの経験は全経験の38.8%, 外発的動機づけは51.0%, 没動機づけは5.3%であった。内発的動機づけ状況では, 外発的動機づけ状況よりも, 活動の内容に関係なく一貫してより肯定的な感情が報告され, 緊張の度合いも少なく, 楽しさの感情と全般的な充足感が示された。有能感・効力感のレベルには差が認められなかった。また, 内発的-外発的動機づけ経験の量と, 様々な経験指標の得点の関連を検討したところ, 内発的動機づけを多く報告する人は, 日々楽しさの感情を感じており, 緊張の度合いも少なく, 自身をより幸福で活動的, また満たされていると評価する傾向があることが明らかになった。
- 大阪樟蔭女子大学の論文
- 2002-03-01
著者
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