性的被害とトラウマ : 関西コミュニティ調査の統計分析
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概要
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筆者たちは、1999年〜2000年に関西圏に在住の女性を対象に無作為抽出法による性的被害の実態調査を実施した。この調査データの統計分析によって有意であることが確認された諸変数間の関係は次のようであった。(1)性的被害と5つのデモグラフィック原因(回答者の現在の年齢、現在の配偶者との同居状況、現在の母親との同居状況、回答者が育った地域、回答者の現在の雇用形態)との関係。(2)性的被害と心理的損傷(=客観的トラウマ変数)との関係。(3)性的被害の頻度、加害者のタイプ、被害継続期間と主観的トラウマ変数との関係。(4)性的被害とPTSD症状(=客観的トラウマ変数)との関係。(5)心理的損傷とPTSD症状との関係。(6)性的被害経験と「否定的」生活経験(=客観的トラウマ変数)との関係。(7)心理的損傷と「否定的」生活経験との関係。(8)PTSD症状と「否定的」生活経験との関係。以上の諸関係から性的被害のもたらす影響の流れを抽出すると、その影響の流れのメイン・ルートは、性的被害→心理的損傷→PTSD症状→「否定的」生活経験、と定式化できる。この連関から、PTSDの発症や「否定的」生活の発生を防止するためには、より前の段階での専門家等による治療的・福祉的介入が必要であることが示唆された。
- 2003-01-31
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