<研究報告>学生が困った場面を振り返ることの学習効果 : 精神看護学実習におけるプロセスレコードの分析より
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概要
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精神看護学実習では,学生が患者とのかかわりの中で生じる様々な反応から自己を振り返り,やりとりの意味を考えることで患者-看護者関係を発展させていく。なかでも学生が患者とのかかわりの中でしばしば遭遇する「困った」場面は,プロセスレコードの記述をとおして振り返ることで,看護者として新たな気づきを得る重要な機会となる。今回,精神看護学実習において,学生が記述したプロセスレコードの「困った」場面47例を対象に,その記述内容を分析することで,患者-看護者関係の発展における学習効果について検討した。その結果,以下の点が明らかになった。1.学生が「困った」場面は,患者の悩みを打ち明けられたり,幻覚・妄想などの精神症状に遭遇した場面などであった。2.「困った」場面において学生は,患者の言動に対してどのように答えたらいいのかといったその場の対応方法に関心が向いていた。3.「困った」場面の振り返りでは,学生は自己の困惑した感情に気づくよりも,対応方法を反省し,今後のかかわりの方向性を見いだそうとしていた。
- 名古屋市立大学の論文
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