<原著>精神病院における長期入院患者の生活の満足感とその理由
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概要
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本研究は,精神病院に3年以上入院している患者の生活の満足感について面接調査を行い,その結果を分析・検討したものである。調査対象は,精神病院の社会復帰病棟に入院している精神分裂病患者20名とした。1週間の参加観察後,現在の生活の満足感について5段階評定で回答を得た。また,その理由については,ポジティブな反応およびネガティブな反応で分類し検討した。その結果,長期入院患者は,健康状態,生活環境,日常生活行動,対人関係・対人交流,自己評価について,カテゴリー平均値3.0と高い傾向にあった。また,サブカテゴリー項目では,生活環境の安全性と医師や看護者との関係の満足感が高かった。一方,満足感が低かったのは,家族関係や自分の性格に対するものであった。さらに,生活の満足感の高い群と低い群に分類し,その理由を分析したところ,生活に対する満足感は,患者が入院生活に対して肯定的にとらえているか,否定的にとらえているかによって異なっていることが明らかになった。
著者
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