<論文>アル化語と中国語教育
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アル化("儿化")とは中国語の普通話と一部方言にある発音現象で, 語末で起こる捲舌音化を指す。文字表記としては一般に語末に"儿"という字を加えるが, "儿"は単独の音節とはならず, 直前の音節とともに1音節として発音される。中国語の入門・初級の発音教育において必ず扱うべき項目として, 声調・軽声・音節などがあるが, このアル化についても全く触れられないことはまずないと言ってよい。軽声とアル化は中国北方方言の大きな特徴であるが, 普通話がもともと北京語音を標準音に, そして北方方言の語彙を基礎として始まった以上, 普通話の中に軽声語とアル化語が多く取り入れられたことは当然のことである。筆者はかつて軽声語の問題について論じた。その内容は《現代漢語詞典》と《現代漢語詞典修訂本》における軽声語の扱いの変化についてであるが, 今回は両辞典におけるアル化語の扱いの変化を見た上で, 中国語教育においてどのようにアル化語を扱うべきかについて考察することにする。
- 2001-07-16