看護教育とボランテイア(第二報) : 看護学生の体験報告から障害理解の構造を分析して
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概要
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本学学生のボランティア体験時の報告書(感想記載部分)の298フレーズを, 障害児の理解に関する学習内容11項目に分類した。そして, 徳田の障害理解段階(偏見への気づき, 知識化, 情報的理解, 態度形成, 受容的行動)を参考に, 11項目の関係を分析し, 看護学生の障害理解の構造を考察した。また, 類似する障害児・者実習に関する看護研究を参考に, 本学学生のボランティア体験の特徴について検討した。結論として, 本学学生はボランティア体験を通し, 障害児への理解を知識化と情緒的理解の両面から深め, 障害児への偏見に気づき自ら肯定的な障害観を再構成していることがわかった。また, 他の看護研究との比較から, 本学の実習では障害児とともに施設外に出かけたボランティア体験から「第三者の冷たい視線」を体験した学生が少数みられ, 施設内の実習とは違う傾向がみられた。今後は, 看護学生の障害観に影響する因子を, 入学前の障害児・者との交流及びボランティア体験との関係, また看護実践との関係などを経時的に調査し, 看護学生の障害に対する認識の変化について検討する必要性が明確になった。
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