資金循環表にみる90年代の金融構造
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概要
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日本銀行が9月に発表した新しい資金循環表にもとづいて、我が国の90年代の金融構造を分析した。ガーレー・ショウが提唱し、我が国でも定着した直接・間接金融論をあてはめると、この10 年間、表面的にはますます間接金融優位がすすんだことになる。 しかし、国債によるファイナンスを直接金融とかんがえると、90 年代の金融構造はドラスティックに変化した。 それを含めて、企業は資金余剰主体に転じ、家計はおずおずと安全資産だけを積み上げ、金融機関の資産・負債が変化するなど、実物経済の激変がマネタリーエコノミーに投影されている。資金循環表にあらわれた、このような異常な現象を改善することが、次ぎの10 年間の課題である。 それは巨大な国債と郵便貯金のソフトランディングでもある。 その道筋はまだみえないが、証券投資分野に、小さな数字ではあるが、注目すべき現象があらわれている。
- 多摩大学の論文
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