教材としての資金循環表の研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本銀行が1958年以来発表してきた資金循環統計は、7月に大幅改定された。経済主体をあらわす「部門」が従来の業態別から、規制緩和を反映して機能別に改められた。市場にあるすべての金融商品を意味する「取引項目」は、新しい金融商品の輩出を反映して細分化された。資産・負債の時価評価の採用や、他の重要統計との整合性がはかられるなど、改善点が多い。資金循環表は我が国金融市場の鳥瞰図として、これまで多くの研究者がこれを分析してきた。間接金融優位論、経済主体別資金バランス、個人金融資産や郵貯の大きさなど、この表から議論がうまれた。したがって資金循環表は金融論の教材としては最も有益な統計でもある。改定された資金循環表に注目すべき発見が数々ある。今後フオローすることによって、金融ビッグバンのあと、長期不況のあとの日本の金融構造の特色を、ここからみることができる。
- 多摩大学の論文
著者
関連論文
- 国債価格下落の影響
- 国債発行残高の増大に関する注目点
- 間違いだらけの国債論議 : 正しくやさしい広報が急務
- 資金循環表にみる90年代の金融構造
- 教材としての資金循環表の研究
- 国際金融危機とアジア金融資本市場の効率性