<論考・研究ノート>論沈一貫及其『老子通』 : 明代的『老子』研究之四
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概要
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沈一貫(1531〜1615)は明代万暦期の宰相であり文人でもあった。その著作『老子通』は,後に日本に伝わり,明治初期の漢学者根本通明によって高く評価された。彼については,多くの史料が残されているが,その評価はさまざまであり,相対立する意見も見える。彼ははたしてどのような人物であり,なぜこのような現象が生じたのだろうか。本論は,沈一貫の著書『老子通』を中心としてその思想,を分析し,上述の問題を考察したものである。また,沈一貫という人物の内在的な矛盾を究明しながら,同時に彼の思想が明代万暦期の政治状況の中でどうように展開されたのか,このような人物を生みだした明代万暦期の政治状況がどうであったか,という問題の検討を通して,中国思想の主流である儒教と道教の異同も追究する。本論は筆者の一連の「明代の老子研究」の第四篇である。
- 金沢大学の論文
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