アトピー性皮膚炎(重症成人型)の漢方治療
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概要
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アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis: 以下ADと略す)とは、日本皮膚科学会の定義によれば、増悪、寛解をくりかえす、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つとされている。ここでアトピー素因とは、①家族歴、既往歴に気管支端息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数の疾患を有す、または、②IgE抗体を産生しやすい素因、のことである。瘙痒を伴い、年齢により特徴的な皮疹の形態と分布を示す。すなわち乳児期では頭部、顔面に滲出性の紅斑や丘疹、鱗屑をきたし、次第に体幹、四肢に下降する。幼小児期には肘窩、膝窩に紅斑や正疹、苔癬化がみられる。成人になると上半身に皮疹が強い傾向がある。以前は小児に多くみられ、成長とともに治癒にむかうのが普通であった。しかし、ここ20年前頃から、成人に多く見られるようになり、かつ治療のもっとも根幹をなすステロイド剤が無効の症例が年々増加している。そのような難治性の成人のAD3症例に対し、漢方治療を試み、有効であったので、報告する。
- 2005-10-25
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