頭皮放射線性皮膚炎に対する紫雲膏の治療成績
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】脳腫瘍治療の合併症である頭皮放射線性皮膚炎は火傷の一種であり,現状ではステロイド製剤がその治療の主役となっている。今回,火傷を保険適応とする紫雲膏の頭皮放射線皮膚炎に対する治療効果を検討した。【方法】悪性脳腫瘍症例22例(全脳照射9例,局所照射13例)を対象とした:男/女=12/10例。51〜74歳(平均63.1歳)。疾患内訳:悪性神経膠腫13例,脳悪性リンパ腫6例,転移性脳腫瘍3例。症状内訳(重複あり):発赤18例,灼熱感をともなう疼痛13例,瘙痒感13例,皮膚びらん3例。治療効果は自覚症状の改善度により以下のように判定した:著効(改善度80%以上),有効(改善度50%以上),やや有効(改善度50%未満),無効(改善度30%未満)【成績】著効16例,有効6例で,全例に良好な治療効果を認めた。【結論】紫雲膏は組織修復作用にも優れ,ステロイド製剤にかわる放射線性皮膚炎に対する有用な薬剤として期待できる。
- 2011-03-20
著者
関連論文
- 転移性脳腫瘍に対する術中照射療法の治療成績
- 108 乳癌術後ホットフラッシュに対する治療経験の検討(悪性腫瘍・血液疾患2,一般演題,伝統医学のあるべきかたちとは-世界の潮流と日本の役割-,第59回日本東洋医学会学術総会)
- 172 頸髄照射にともなう嚥下痛・嚥下障害に芍薬甘草湯が著効した1例(悪性腫瘍,一般演題,第57回日本東洋医学会学術総会)
- 視神経に原発したgerminomaの一例
- 頭皮放射線性皮膚炎に対する紫雲膏の治療成績
- 頭蓋内悪性脳腫瘍にともなう脳浮腫に対する五苓散の臨床効果
- 003 頭蓋内悪性脳腫瘍にともなう脳圧元進症状に対する五苓散の臨床効果(悪性腫瘍1, 第58回日本東洋医学会学術総会)
- 女性漢方医療における私のひと工夫 (女性医療と漢方医療) -- (漢方のひと工夫)
- 漢方薬による脊椎管狭窄症の保存的治療(15運動器・整形外科, 第56回日本東洋医学会学術総会)
- 悪性腫瘍末期患者における疥癬流行の経験 (動物性皮膚症)
- 103 癌化学療法・内分泌療法・放射線療法に合併する諸症状に対する東洋医学的治療(悪性腫瘍・血液疾患1,一般演題,伝統医学のあるべきかたちとは-世界の潮流と日本の役割-,第59回日本東洋医学会学術総会)
- 乳癌治療合併症に対する漢方治療