プロバイオティクス細菌による血中脂質改善作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
プロバイオティクスによるコレステロール低下などの血中脂質改善作用に関しては, in vitro実験,動物実験およびヒト試験にて多数の報告があった.その作用機序としてコレステロールの菌体への吸着や脱抱合型胆汁酸との共沈による吸収抑制,ビフィズス菌や乳酸菌の持つ胆汁酸脱抱合酵素の作用による胆汁酸排泄促進および,腸管において産生される短鎖脂肪酸によるコレステロール合成抑制などが考えられている.ヒト試験において,特に高い胆汁酸脱抱合酵素活性を持つビフィズス菌や乳酸菌による改善作用が多く報告されている一方,一部の乳酸菌について効果は認められない報告も散見され,プロバイオティクスによる血中脂質改善効果について更なる検証が必要である.また,近年,腸内細菌叢と肥満や脂質代謝の関係についても急速に研究が進んでおり,今後の発展が注目される.
- 2010-10-01
著者
-
近藤 しずき
森永乳業食基研
-
清水 金忠
森永乳業株式会社食品基盤研究所
-
清水 肖
森永乳業株式会社食品総合研究所
-
清水(肖) 金忠
森永乳業株式会社食品基盤研究所
-
近藤 しずき
森永乳業株式会社食品基盤研究所
-
清水 肖
森永乳業株式会社食品基盤研究所生物機能研究部
-
清水 肖
森永乳業株式会社 食品基盤研究所 生物機能研究部
関連論文
- スギ花粉症患者における Bacteroides fragilis group の菌種レベルでの解析
- スギ花粉症患者の腸内細菌叢変動に対する Bifidobacterium longum BB536 の抑制効果
- SS4-4 人工花粉曝露施設を利用した乳酸菌による花粉症への効果検証(III,食餌習慣・腸内細菌とアレルギー〜プロバイオティクス・バイオジェニックス〜,生活環境習慣病としてのアレルギーを検証する,第59回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取習慣とアレルギー発症に関する検討 : 疫学調査より
- 花粉症関連血中マーカーのシーズン変動おび Bifidobacterium longum BB536 摂取による花粉症症状および血中マーカーに対する影響
- 273 Bifidobacterium longum BB536による花粉症改善効果 : 自覚症状および血中マーカーの変動に対する影響(花粉症(3), 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- アレルギー性鼻炎における代替医療
- 138 花粉曝露室を利用したビフィズス菌Bifidobacterium longum BB536摂取によるスギ花粉症改善作用の検討(花粉症4,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- Hygiene hypothesis (特集 アレルギー疾患へのアプローチ)
- 水溶性食物繊維グアーガム分解物の脂肪乳化とリパーゼ作用に及ぼす影響
- Bifidobacterium longum BB536の鼻腔内投与がマウスの気道の粘膜免疫とインフルエンザウイルスの感染に及ぼす影響
- ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取によるアレルギーの発症抑制 : 疫学調査から
- マウスにおけるグァーガム分解物の長期摂取による食後血清脂質上昇抑制作用への影響
- 370 ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取によるアレルギーの発症に対する影響 : 疫学調査から(疫学2,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- プロバイオティクスによる花粉症症状の緩和作用およびその作用機序解析
- ビフィズス菌におけるスギ花粉症症状抑制とそのメカニズム (特集 アレルギー疾患に対する機能性食品)
- 花粉症患者の腸内細菌叢に及ぼす Bifidobacterium longum BB536 配合ヨーグルトの効果
- プロバイオティクス細菌による血中脂質改善作用
- IDF World Dairy Summit 2010 参加報告
- Bifidobacterium longum BB 536 含有ドリンクタイプヨーグルト摂取による便秘傾向健常者の排便回数および排便性状に及ぼす影響
- ビフィズス菌による抗アレルギー作用
- P184 和歌山県における乳幼児の各種アレルギー疾患に関する疫学調査 : 有病率と背景因子との関連(予知と予防,ポスターセッション,第24回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- P183 妊婦・乳幼児におけるビフィズス菌投与によるアレルギー発症予防効果(予知と予防,ポスターセッション,第24回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- Lactococcus lactis 菌株との共培養による高生残性ビフィズス菌入りヨーグルト製造技術の開発