縦隔炎術後に発症した胸骨間肺ヘルニアの1例
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概要
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肺ヘルニアは稀な疾患で術後や外傷後の肋間肺ヘルニアが報告されているが,胸骨正中切開創哆開部への肺ヘルニア(胸骨間肺ヘルニア)はこれまで報告がない.今回我々は縦隔炎ドレナージ術後に発症した胸骨間肺ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は76歳の男性.2005年12月に弓部大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行された.その後,縦隔炎を発症し2回debridementを施行されたが,2006年2月に発熱,炎症反応増悪を認めるため胸部CTを施行したところ,胸骨間肺ヘルニア,皮下気腫を指摘された.保存的治療を試みたが血痰出現,皮下気腫増大するため当科に紹介され緊急手術となった.胸骨間に右肺中葉が嵌頓しており,胸膜損傷部よりair leakageを認めた.損傷部を含める形で中葉部分切除術を行った.また胸骨間のスペースには両側大胸筋皮弁を充填した.術後経過は良好で1ヵ月後に退院となったが,その2ヵ月後に縦隔炎が再発し敗血症にて永眠された.
- 2010-03-15
著者
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織田 禎二
島根大学医学部循環器呼吸器外科
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坪島 顕司
島根大学医学部循環器・呼吸器外科
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織田 偵二
島根大学医学部循環器呼吸器外科
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岸本 晃司
高砂市民病院 外科
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織田 禎二
高砂市民病院 外科
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織田 禎二
長見クリニック
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織田 禎二
島根大学 循環器・呼吸器外科
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岸本 晃司
島根大学医学部 循環器・呼吸器外科
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織田 禎二
島根大学医学部 循環器・呼吸器外科
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坪島 顕司
島根大学医学部 循環器・呼吸器外科
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岸本 晃司
島根大学循環器・呼吸器外科
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