クロマチンリモデリング因子による小腸吸収細胞遺伝子発現誘導機構
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ビタミンA結合タンパク質CRBPIIおよび脂肪酸結合タンパク質L-FABPの空腸における遺伝子発現は, ラットの哺乳中期に増大し, 二糖類水解酵素スクラーゼ・イソマルターゼ複合体 (SI) および果糖輸送担体 (GLUT5) の遺伝子発現は, 哺乳中期から哺乳後期に増大する。本研究では, CRBPIIおよびL-FABPの遺伝子の発現増大は核内受容体PPARαを介しており, GLUT5遺伝子の発現増大は甲状腺ホルモンおよびグルココルチコイドホルモンの核内受容体 (TRα-1, GR) により調節されることを明らかにした。さらに, 栄養素・ホルモンのシグナルがこれら遺伝子の上流域・転写領域上におけるヒストンのアセチル化ならびにクロマチンリモデリング因子CBP/p300の結合を増大させることを明らかにした。これらの知見は, 栄養素・ホルモンが, 核内転写因子の活性化因子およびクロマチン構造を劇的に変動させる鍵因子として働き, 空腸消化吸収関連遺伝子の転写を調節することを示したものである。
- 2009-12-10
著者
関連論文
- 2-II-19 哺乳期から離乳期にかけてのラット空腸におけるβカロテンならびにレチノイド代謝関連遺伝子の発現変動(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨)
- C2_1細胞におけるall-transおよび9-cisレチノイドの作用
- 2-II-9 C2BBe1細胞における9-cisおよびall-transレチノイドの作用(一般研究発表,日本ビタミン学会 第58回大会研究発表要旨)
- ラット発達過程における空腸βカロテン開裂酵素の活性誘導におよぼすT3の関与
- 離乳期のラット小腸におけるビタミンA吸収関連タンパク質の発現調節因子としての脂肪酸の役割
- ラット発達過程の肝CRABPI遺伝子の発現変動とT3の関与
- 1-I-13 ヒト結腸癌由来培養細胞株 Caco-2 における脂肪酸により誘導されるCRBPIIの遺伝子発現へのPPARサブタイプの関与
- 5. 離乳前後のラット小腸遺伝子のPPARを介する発現調節 : 細胞性レチノール結合タンパク質タイプIIと脂肪酸結合タンパク質および脂肪酸酸化酵素の場合
- 2-I-14 ニワトリ十二指腸からのβ-カロチン開裂酵素の単離・精製について
- クロマチンリモデリング因子による小腸吸収細胞遺伝子発現誘導機構
- 人間ドック男性受診者におけるコンピュータ断層撮影スキャン腹部皮下および内臓脂肪面積の増減と生活習慣の関連性
- 3. ラット小腸CRBP II 遺伝子発現の高脂肪食摂取による転写調節機構
- 1-I-5 PPAR-RXRヘテロニ量体を介するCRBPII遺伝子発現誘導機構のトランスフェクション解析による検討