キレート樹脂を用いるAl^<III>, Ga^<III>, In^<III>の水溶液中の逐次分離
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概要
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本研究は,キレート樹脂Chelex 100を用いたAlIII,GaIII,InIIIの相互分離について検討した.AlIIIからのGaIIIとInIIIの分離では,キレート樹脂へのマスキング剤としてフッ化物イオンを添加することによって,AlIIIの樹脂への吸着を抑制し,GaIIIとInIIIを選択的に吸着させることができた.次に,樹脂に吸着したGaIIIとInIIIを分離するため,InIIIに対し高い錯形成能を示すdiethylenetriamine- N,N,N,N",N"-pentaacetic acid(DTPA)を添加し,樹脂からInIIIを選択的に溶出することができた.また,本法は,Chelex 100を充填したカラムを用いるカラム法に応用し,バッチ法と同様にAlIIIからのGaIIIとInIIIの分離と,樹脂からのInIIIの選択的な溶出が可能であることを示した.更に,硝酸を溶出液として用い,樹脂に吸着したGaIIIを完全に回収できることを明らかとし,AlIII,GaIII及びInIIIの3成分の分離が可能であることを示した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
- 2009-09-05
著者
-
森 勝伸
群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻
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長内 沙織
群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻
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板橋 英之
群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻
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板橋 英之
群馬大学大学院工学研究科応用化学生物化学専攻
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森 勝伸
群馬大学大学院工学研究科応用化学生物化学専攻
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板橋 英之
群馬大学大学院 副工学部
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森 勝伸
群馬大学大学院工学研究科
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