光触媒環境材料の水質浄化性能試験におけるイオン排除型イオンクロマトグラフィーの利用

概要

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本研究では，光触媒環境材料の水質浄化性能試験における測定方法として，指標物質の光触媒酸化及び中間体の生成過程を同時に定量できるイオン排除型イオンクロマトグラフィー（IC）を用いた．その結果，イオン排除型ICによりカルボン酸類の酸化及び中間体（ギ酸，酢酸等）の生成過程を，イオン排除/陽イオン交換型ICによりアミン類の酸化及び中間体（アンモニウムイオン，硝酸イオン等）の生成過程を同時にモニタリングすることができ，水質浄化に対する光触媒材料の開発指針となった．また，イオン排除/吸着型ICによるジメチルスルホキシドの酸化及び硫黄化合物（メタンスルホン酸，硫酸イオン等）の生成過程を同時にモニタリングする技術は，1回の試料注入により硫黄の物質収支を算出できるだけでなく，光触媒材料の水質浄化性能評価試験法の標準化に向けた基礎資料となった．更に，本稿では，現在の性能試験に導入されている技術として，イオン交換ポストカラムによる有機酸及び炭酸イオンの導電率応答の増大システム，そしてポストカラム誘導体化法によるリン酸及びケイ酸イオンの選択的な分離定量法についても紹介する．
2010-07-05