レーザー誘起蛍光を用いるアスベスト識別法の検討
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概要
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レーザー誘起蛍光によるアスベストの識別計測を目的として,3種類(クリソタイル,クロシドライト及びアモサイト)のアスベスト,アスベスト代替建材試料であるグラスウール,ロックウール,及び建材試料のタルク,石膏等の蛍光スペクトルを調査した.その結果,波長266 nmの紫外レーザー光照射において,それらすべての試料から波長350から700 nmに及ぶ幅の広い蛍光スペクトルが観測された.各試料の蛍光特性を比較した結果,スペクトル形状,蛍光量及び蛍光寿命において,アスベストとそれ以外の建材試料との間に識別可能な差異が確認された.特にグラスウール等の繊維状試料との蛍光スペクトル形状と蛍光量の差異は著しく,蛍光量はアスベストのものの約10倍以上であった.これらの蛍光特性の差異を利用するアスベスト識別法として,二つの離れた波長間の強度比,蛍光の減衰比,及び蛍光量比の3つの比較法について紹介する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
- 2009-06-05
著者
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江坂 文孝
原子力機構
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江坂 文孝
日本原子力研究所東海研究所
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大図 章
日本原子力研究開発機構
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安田 健一郎
日本原子力研究開発機構
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大図 章
日本原子力研究所 同位体分離研究室
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江坂 文孝
日本原子力研究開発機構
-
安田 健一郎
日本原子力研究所 燃料サイクル安全工学部
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