過敏性腸症候群の病態モデルとその作製技術
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概要
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便通異常と腹痛を主症状とする過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)は,ストレスによる脳腸相関の異常や消化管の軽度な炎症などが関与しているといわれ,薬剤開発においても,ストレスや軽度な消化管炎症で惹起させた動物モデルが活用されている.ラットを使った身体拘束によるストレス誘発大腸知覚過敏モデルは,拘束下で有意な排便亢進を示し,大腸伸展刺激法により,IBS患者に類似した大腸知覚過敏を示す有用なモデルと考えられる.モデルの作製は,ハンドリングなどの馴化を行ったラットを拘束ケージやテーピングにより一定時間全身あるいは部分的に拘束負荷を与えるだけのシンプルな方法である.また,大腸知覚過敏は,大腸内に留置したバルーンに圧を加えたときの動物の疼痛行動として検出する.この行動は,腹筋収縮を特徴とし,身体拘束ストレスを与えた動物では明らかにこの収縮数が増加した.一般的にバルーンによる大腸伸展刺激の評価法では筋電図を使った腹筋の興奮を測定することが多いが,本稿では,本モデルの作製法と大腸伸展刺激による視覚的な腹筋収縮の検出法を中心に概説する.
- 2009-04-01
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