ネフローゼ症候群の初回寛解療法についての一考察
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概要
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特発性ネフローゼ症候群に対するISKDCによるステロイド初回寛解療法の効果につき検討した。過去8年間に19例の特発性ネフローゼ症候群に対しISKDCに準じた方法で初回ステロイド療法を行った。このうち最近経験した4例全員がPrednisolone 2mg/kg/日,4週,引き続く1.3mg/kg/2日の治療に対し,隔日投与中に再発した。4例のうち3例が幼児例であり,ステロイドに対する反応が不良で,尿蛋白陰性化までに長期間を要した。また,ネフローゼ症候群の進行が急激で,消化管の浮腫によると思われる下痢,嘔吐などが認められ,経口投与では改善がみられず,経静脈的投与が必要であった。全例で再発後ステロイドを増量し,寛解が得られ,隔日投与にする段階でシクロスポリンを併用した。以後ステロイドを減量中止し,シクロスポリン単独で寛解が維持されている。ステロイド依存傾向の症例をどのように治療すべきか,今後検討していく必要がある。
- 日本小児腎臓病学会の論文
- 2006-04-15
著者
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森 哲夫
独立行政法人国立病院機構長野病院 小児科
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西村 貴文
独立行政法人国立病院機構長野病院 小児科
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森 哲夫
国立長野病院
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遠山 歓
独立行政法人国立病院機構長野病院 小児科
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島崎 英
独立行政法人国立病院機構長野病院 小児科
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