C型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2aとリバビリン併用療法中に突発性難聴を来たした1例
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概要
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症例は53歳,女性.C型慢性肝炎(セログループ1,高ウイルス量)に対してペグインターフェロン(PEG-IFN)α2a,リバビリン(RBV)併用療法を開始したところ,投与24週目に立ちくらみ,ふらつきを伴った右難聴が出現し,突発性難聴と診断された.患者の強い希望と血中HCV-RNAが投与開始8週目で陰性(TaqMan HCV)となっておりウイルス学的著効が期待できることなども考慮し,耳鼻咽喉科医との緊密な連携のもと48週間のPEG-IFN/RBV併用療法を完遂したが難聴の増悪は認めず,聴力は日常生活に支障のない程度まで改善した.現時点では突発性難聴の発症とPEG-IFN/RBV併用療法との直接的な因果関係は明らかではないものの,突発性難聴を含めた聴覚障害は一旦発症すると患者のQOLを著しく損なう可能性を秘めた重大な病態であり,PEG-IFN/RBV併用療法を実施するにあたっては常にその出現に留意すべきものと考えられた.
- 2009-07-25
著者
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北田 拓也
府中病院肝疾患センター
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成松 孝
府中病院肝疾患センター
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山口 誓子
府中病院肝疾患センター
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北田 拓也
生長会府中病院肝疾患センター
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成松 孝
生長会府中病院肝疾患センター
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山口 誓子
生長会府中病院肝疾患センター
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