臨床家から見た日本での不整脈治療はどうあるべきか?
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概要
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不整脈診療の基本とされる心電図が史上はじめて記録されてから約100年という時間が経過している.この間,心電図に記録された不整脈を治療しようとさまざまな,そしてたゆまぬ努力が先駆者達によって繰り返されてきた.いわばこの歴史はこれまでの研究者達の血と汗の努力の結晶であり,現在の我々はその恩恵を蒙っている.このことをよく噛みしめながら過去の歴史を振り返った時に,今後我々が歩むべき方向が見えて来るはずである.基礎研究,臨床研究,大規模臨床研究それぞれに行わなければならないテーマがある.不整脈患者の治療目的としてのmortalityとmorbidity,そしてそれを確保するためのツールとして心電図・電気生理学的知識が存在している.治療目的とツールを混同することなく,謙虚に将来への一歩を少しずつ歩むことがこの分野の先駆者達に捧げる我々の責務である.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2008-06-01
著者
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山下 武志
心臓血管研究所
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山下 武志
(財)心臓血管研究所
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山下 武志
東京大学第二内科
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山下 武志
心臓血管研究所附属病院 内科
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山下 武志
心臓血管研究所 研究本部
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山下 武志
東京大学医学部検査部
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