高度の中枢神経障害をきたしたO-157感染症の慢性血液透析症例
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概要
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近年,病原性大腸菌O-157(O-157)による集団感染が日本各地で散発的に認められる.今回われわれは慢性血液透析(HD)患者がO-157に感染し,高度の意識障害をきたした症例を経験した.症例は70歳,男性.糖尿病性腎症による末期腎不全で約5年間HDを施行していた.平成14年7月13日出血性腸炎で入院し,入院後急速に高度の意識障害を呈し,便培養からO-157が検出された.保存的治療のみで意識状態は完全回復した.血小板の減少はなく溶血性尿毒症症候群(HUS)の診断基準を満たさなかったが,O-157感染症による意識障害と考えられた.HD患者がO-157感染をおこした際には,可逆的な意識障害をきたすことがあり,治療に注意を要すると考えられた.
- 2008-10-28
著者
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武田 一人
麻生飯塚病院腎臓内科
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三浦 修平
麻生飯塚病院腎臓内科
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中井 健太郎
麻生飯塚病院 腎臓内科
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中井 健太郎
麻生飯塚病院
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武田 一人
飯塚病院腎臓内科
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木村 廣志
麻生飯塚病院腎臓内科
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前田 篤宏
麻生飯塚病院腎臓内科
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上野 智敏
麻生飯塚病院腎臓内科
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那須 俊甫
麻生飯塚病院腎臓内科
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