若年性ポリポーシスに横行結腸腺腫を合併し大腸全摘術を施行した1例

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概要

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症例は56歳男性．大腸疾患の家族歴はない．健診で貧血を指摘され近医を受診し，注腸造影検査で多発性ポリープおよび横行結腸腫瘍を指摘され，当院外科に紹介受診となった．大腸内視鏡検査を行い上行結腸と直腸からS状結腸にかけて有茎性ポリープを認め，その一部を内視鏡的切除した．また，CTにて横行結腸に径4cmの腫瘍性病変を認めた．治療方針としては，上行結腸·横行結腸·S状結腸から直腸の3カ所に病変が存在したため大腸全摘術を選択した．摘出標本の病理診断は（1）上行結腸·S状結腸から直腸の有茎性ポリープは若年性ポリープ（2）横行結腸の亜有茎性腫瘍は高度異型腺腫の診断であった．若年性ポリポーシスは，過誤腫のために腺腫性ポリポーシスと比較して悪性腫瘍との関連性が低いとされてきたが，最近では前癌状態であることを示唆する報告もある．今回，若年性ポリポーシスと同時性高度異型腺腫の切除症例を経験したので文献的考察も加えて報告する．
日本大腸肛門病学会の論文
2008-03-01

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