NiO-MoO_3/Al_2O_3およびNiO-MoO_3-P_2O_5/Al_2O_3系水素化脱硫触媒へのポリエチレングリコールの添加効果
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概要
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CoO-MoO3/Al2O3系水素化脱硫触媒の脱硫活性を向上するため,新たな添加物として水溶性有機化合物の一種であるポリエチレングリコールを用いた。触媒の調製過程において,ポリエチレングリコールをコバルト-モリブデン含浸溶液に添加すると,チオフェン,ジベンゾチオフェン,軽油の脱硫活性が向上することを見出した。XPS測定とTEM観察の結果から,ポリエチレングリコールは活性金属であるコバルトとモリブデンの凝集を抑制して,活性点数を増大していると考えられる。ポリエチレングリコールを添加しない場合,活性金属は担体と結合していないために,含浸液を乾燥して水分を除去する際に活性金属種が凝集することが観察された。一方,ポリエチレングリコールを添加した場合,ポリエチレングリコールは水よりも沸点が高いので,含浸液を乾燥する際にも触媒表面上に残存する。したがって,残存するポリエチレングリコールに活性金属種が溶解し,高い分散性が保持されたものと考えられる。
- 社団法人石油学会の論文
- 2005-11-01
著者
-
岩本 隆一郎
出光興産(株)技術部 石油技術センター
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各務 成存
出光興産(株)製造部石油技術センター
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飯野 明
出光興産(株)石油技術センター
-
迫田 幸広
出光興産(株)石油技術センター
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岩本 隆一郎
出光興産(株)石油技術センター
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