低分子量Gタンパク質研究の進歩
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概要
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低分子量Gタンパク質は,GDP結合型とGTP結合型のコンホメーション転換により,上流からのシグナルを下流に伝達する“分子スイッチ”として,細胞内情報伝達系の中心的な役割を果たしている.Rasの例に代表されるように,低分子量Gタンパク質を介する情報伝達系の乱れは,癌をはじめとする疾患の原因にもなっている.これまでに同定された様々な種類の低分子量Gタンパク質の研究から,それらが細胞増殖や分化,細胞運動,細胞内小胞輸送などの基本的な細胞機能を制御することが明らかにされてきた.一方,近年のゲノムプロジェクトの進展に伴い,既存の低分子量Gタンパク質群とは異なる新奇低分子量Gタンパク質が複数存在することが明らかになり,それらの生理的役割が注目されつつある.本総説ではこれらに関する最近の知見を含めて,低分子量Gタンパク質研究の進展を紹介したい.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2007-11-01
著者
-
多田 稔
東京大学 消化器内科
-
堅田 利明
東京大学 大学院薬学系研究科 生理化学教室
-
紺谷 圏二
東京大学 大学院薬学系研究科 生理化学教室
-
小林 哲夫
東京大学 大学院薬学系研究科 生理化学教室
-
多田 稔
東京大学 大学院薬学系研究科 生理化学教室
-
堅田 利明
東京大学大学院薬学系研究科 生理化学教室
-
多田 稔
Faculty of Agriculture, Kinki University
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