ホエー中のリン酸カルシウム反応晶析に及ぼすキレート剤の影響
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概要
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リン酸カルシウムは,ホエー中で最も重要な無機成分の一つである.チーズホエーはチーズ生成時における副産物で,タンパク質,乳糖,無機塩など多くの有価成分が含まれており,現在,ホエー中の有価成分を回収するため膜分離法が工業的に用いられている.しかし膜分離プロセスにおける濃縮の際,リン酸カルシウムが膜表面に析出するためファウリングを引き起こす.ファウリングを防ぐためには,不溶性リン酸カルシウムを析出させないことが重要であると考えられる.そこで本研究では,析出を抑制する添加物としてキレート剤に着目し,EDTA(Ethylene Diamine Tetraacetic Acid)とクエン酸(Citric acid)を用いて実験を行った.キレート添加実験は,ホエーのモデル液としたリン酸カルシウム懸濁液と,ホエータンパク質分離物(WPI)水溶液を用いて行った.その結果,溶液中のカルシウムイオンがキレート化され,リン酸カルシウム反応晶析では結晶の析出量は減少した.WPI水溶液では,フリーなカルシウムイオン濃度は減少した.
- 2007-11-20
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