糖尿病血液透析患者における plasma refilling rate(PRR) の検討
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概要
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透析中低血圧は糖尿病血液透析患者では頻繁に観察される. 今回, 透析中にCRIT-LINE™ (In-Line Diagnostics, UT, USA) を用いてplasma refilling rate (PRR) と循環血液量変化率 (ΔBV) とを検討した. 糖尿病患者10名と非糖尿病透析患者10名で, 各6回ずつの血液透析を施行し, 除水残量がドライウェイト3%の時点でヘマトクリットを測定し, ΔBVおよびPRRを算定した. その結果, 両群でPRRには有意差が認められなかった. しかし, ΔBVとPRRの相関をみると, 非糖尿病群では有意な相関関係がみられた (r=-0.64) が, 糖尿病群では認められなかった. 一方, ΔBVが9%以下の循環血液量の変化が大きい場合には, 糖尿病群では非糖尿病群に比較してPRRの有意な低下 (0.71±0.10 vs. 0.90±0.15, p<0.01) と平均血圧低下率が大きい傾向 (10.07±12.21% vs. 1.83±10.09%, p=0.11) が認められた. 以上の結果より, 糖尿病患者ではΔBVに応じたPRRが得られにくい場合が多く, このような病態が透析中低血圧の一因となる可能性が推測された.
- 2007-03-28
著者
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木原 将人
東芝林間病院臨床工学科
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岩崎 美津子
東芝林間病院腎臓内科
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野村 賢二
東芝林間病院臨床工学科
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金原 輝紀
東芝林間病院臨床工学科
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大嶋 るみ子
東芝林間病院臨床工学科
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三橋 由佳
東芝林間病院臨床工学科
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海老原 里香
東芝林間病院臨床工学科
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常山 重人
東芝林間病院臨床工学科
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若狭 幹雄
東芝林間病院腎臓内科
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宇田 晋
東芝林間病院腎臓内科
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常山 重人
神奈川県臨床工学技士会 東芝林間病院臨床工学科
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