抗IL-6受容体抗体療法 : From Bedside to Bench
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年の免疫学は遺伝子工学や発生工学的手法を取り入れ,免疫システムの精巧なメカニズムを分子レベルで明らかにした.さらにゲノム情報を利用した疾患関連遺伝子の検索や病態解析が盛んに行われ,免疫疾患の病因遺伝子も同定されるようになった.今や,免疫学研究は臨床応用へと移り,自己免疫疾患の治療においても,モノクローナル抗体などの生物製剤を用いて特定の標的分子の機能のみを制御する分子標的治療法が可能になりつつある.しかし,多くの免疫難病の根本的な原因は未だ明らかではなく,解決すべき課題は多い. Interleukin-6 (IL-6)は,免疫・炎症反応,細胞の増殖・分化にかかわる細胞間情報伝達分子であり,IL-6の過剰は,キャッスルマン病や関節リウマチの病態形成にかかわっている.ヒト化抗IL-6受容体抗体,トシリズマブによるIL-6阻害は,これらの疾患の病態に基づいた新しい治療法となることがトランスレーショナルリサーチの中で明らかになった.同時にIL-6阻害治療のメカニズムを探ることで新たな治療のターゲットも見つかる可能性がある.
- 2006-10-31
著者
関連論文
- 抗IL-6受容体抗体療法 : From Bedside to Bench
- 394 成人スティル病に認められる血清サイトカインプロフィール(膠原病と類縁疾患(5), 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 関節リウマチ : 6. IL-6阻害薬
- SAMURAI研究 (特集 日本発のエビデンスをどう読むか?)
- RA and Immunology 抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ)によるRA治療
- IL-6阻害治療 (特集 関節リウマチ治療の新展開)
- 抗体製剤の進歩--キメラ・ヒト型抗体,ヒト化抗体,そしてdual variable domain immunoglobulin
- キャッスルマン病治療薬 (特集 オーファンドラッグのいま) -- (近年承認されたオーファンドラッグ)
- 薬物療法(5)生物学的製剤 (リウマチ・膠原病のすべて) -- (リウマチ・膠原病の治療)
- 炎症制御におけるIL-6阻害の利点
- EVS2-5 抗IL-6レセプター抗体療法の関節破壊阻止効果(リウマチ疾患診療の最新情報-特に関節リウマチについて-, 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- キャッスルマン病に対するIL-6受容体抗体の治療効果
- サイトカインを標的とする生物学的製剤 抗インターロイキン(IL)製剤 抗IL-6受容体ヒト化抗体(トシリズマブ) (生物学的製剤の免疫薬理と臨床--変貌する関節リウマチ治療ストラテジー) -- (主要な生物学的製剤の構造,免疫薬理学的特徴と有用性のエビデンス)
- 序:抗体医薬へ高まる期待 (特集 抗体医薬の現状と未来)
- トシリズマブの有効性と炎症制御における利点--関節リウマチにおけるIL-6阻害治療の利点 (第1土曜特集 関節リウマチのパラダイムシフト--生物学的製剤時代の最新治療動向) -- (生物学的製剤の最新エビデンス)
- トシリズマブ(ヒト化モノクローナル抗ヒトIL-6受容体抗体)の有用性 (Feature プライマリ・ケア医のための関節リウマチの診かた--知っておきたいその基本と最新知見)
- 抗IL-6受容体抗体によるCastleman病の治療 (第1土曜特集 造血器腫瘍の分子標的療法) -- (標準的治療にみる分子標的療法)
- S6-3 関節リウマチとキャッスルマン病に対する抗IL-6療法(シンポジウム6 膠原病に対する治療法の新展開,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 炎症性免疫疾患の治療 : 4)炎症性免疫疾患に対するIL-6阻害療法
- オーバービュー : 抗IL-6受容体抗体療法 : From Bedside to Bench
- 抗サイトカイン療法--関節リウマチ治療を中心に (第一土曜特集 自己免疫疾患研究の最先端) -- (治療)
- IL-6を標的とした血液疾患・リウマチ性疾患の治療 (特集 分子・細胞標的治療--基礎と臨床) -- (臨床)
- IL-6を標的とした関節リウマチ,Castleman病などの分子治療 (第5土曜特集 分子標的薬) -- (免疫)
- IL-6阻害療法の有用性と問題点 (第1土曜特集 関節リウマチ--基礎と臨床の最前線) -- (治療)
- ジェネラルレビュー:免疫疾患の病因・病態の研究から治療応用への新たな展開 (病気と免疫)
- ヒト化抗IL-6受容体抗体の免疫疾患治療における展開 (免疫2004) -- (病気と免疫)
- ヒト化抗IL-6R抗体療法の開発 (特集 関節リウマチ--基礎と臨床) -- (関節リウマチの臨床)
- 2 IL-6受容体抗体による自己免疫疾患の治療(自己免疫疾患の新しい治療戦略)
- モノクローナル抗体による抗サイトカイン療法
- 新規IL-6受容体阻害剤による遺伝子治療