生活習慣病としての肝臓病 : 脂肪肝の急速な増加とその意味するもの
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概要
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1989年∼1999年の健診受診者において脂肪肝発見率は毎年確実に増加し,11年間に男性では16%から34%,女性でも7.6%から19%へと2倍以上の増加がみられた.2000年以降増加傾向は止まったものの,高率が持続している.脂肪肝発生率は肥満と密接に関連するが,1989年度と1998年度における受診者の平均BMI値はいずれも22kg/m2で差がみられず,受診者および脂肪肝群における肥満度にも差はみられなかった.しかしBMI 25以下でも高率となり,同一のBMIの非肥満者においても脂肪肝の著しい増加が明らかになった.生活習慣の変化が増加の一因とされているが,具体的要因はいまだ不明であり,未知の環境要因も含め原因解明は重要な課題であり,消化器専門医による本格的調査·研究が待たれる.
- 財団法人 日本消化器病学会の論文
- 2007-04-05
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