最近の統合失調症モデル
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概要
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統合失調症は「神経発達障害仮説」が提唱されている.非競合的NMDA受容体拮抗薬であるフェンシクリジン(PCP)を新生児期投与したICRマウスとSDラットでは,イボテン酸の生後6日腹側海馬注入ラットモデルと同様に12日齢時の脳切片で前頭前皮質,中隔,視床および小脳で神経細胞とS-100陽性アストロサイトのアポトーシスの発現がみられた.また,rostral migratory stream中では増生した幹細胞でGLASTの発現がみられた.一方,新生児期にPCPを投与したマウスにD-cycloserineを皮下投与したときには上記の病理変化はみられなかった.新生児期PCP投与マウスでは4-6週齢の行動観察でPPIの障害,PCP投与運動亢進の抑制およびモーリス水迷路学習能の障害がみられた.以上,この統合失調症モデルの利用は統合失調症の病因の解明,セリンおよびグリシンをターゲットとした新規治療薬の開発の一助となることが期待される.
- 2006-09-01
著者
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村澤 寛泰
(株)日本バイオリサーチセンター
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山口 和政
株式会社 日本バイオリサーチセンター
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村澤 寛泰
株式会社 日本バイオリサーチセンター
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中谷 晶子
株式会社 日本バイオリサーチセンター
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巽 義美
株式会社 奈良病理研究所
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巽 壮生
株式会社 奈良病理研究所
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藤村 京子
株式会社 日本バイオリサーチセンター
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山口 和政
日本バイオリサーチセ
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山口 和政
日本バイオリサーチセンター
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