アニソール中での2-ナフトールのカルボキシル化反応
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概要
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これまでの研究において,ナフトール類のカルボキシル化を非プロトン性極性溶媒中で行うと,従来のKolbe_Schmitt反応と比較して低温においても反応が進行することを見出してきた。ここでは,より有用な生成物を得るため,非プロトン性極性溶媒の一つであるアニソールを用いて,より高温で2-ナフトールのカルボキシル化を行い,反応温度,反応時間が生成物収率および選択率に及ぼす影響について検討した。 反応温度の増大に伴い,収率は減少する傾向を示した。一方,生成物選択率に着目すると,373 Kでは2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸のみが得られるが,反応温度の上昇に伴い,2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸の選択率が減少し,3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の選択率が増大した。また,543 Kでは6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の生成が確認された。 反応温度543 Kでは,反応時間の増大に伴い,2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸の選択率は減少し,同時に6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の選択率が増加した。 これらより,2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸の脱炭酸と3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸および6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸への熱転位反応が並発的に進行することが推察される。
- 社団法人石油学会の論文
- 2006-07-01
著者
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山口 達明
千葉工業大学工学部生命環境科学科
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山口 達明
千葉工大・工
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山口 達明
生命環境科学科
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山口 達明
千葉工業大学工学部工業化学科
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飯島 孝幸
千葉工業大学工学部生命環境科学科
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岩瀬 徹
千葉工業大学工学部生命環境科学科
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山口 達明
千葉工学大学工学部工学化学科
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山口 達明
千葉工業大学
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