バイオマス粒子の抵抗係数およびボイラ内での粒子の運動予測
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概要
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バイオマス粒子のボイラ火炉流れ内における挙動を予測する目的で,5種の代表サンプルについて抵抗係数を実験的に求めた.その結果,バイオマス粒子は種類や粉砕方法によってそれぞれ特徴のある形状を成しているが,体積が等しい球体に仮定した場合の直径(体積相当直径)を基準としたレイノルズ数(Rer)を用いて抵抗係数は良く整理できることが判った.たとえば,木質系バイオマスの心材の部分をインパクト破砕機で短径が0.5–8 mmの範囲に破砕した粒子はRerに係わらず形状係数が概略0.8の円柱で近似できるが,同様に処理した皮の部分(バーク)はRerが小さい粒子ほど形状係数は減少し,これは粒子表面の毛羽立ちに依存することなどが明らかになった.また,バイオマスのエネルギー利用として注目されている既設ボイラへの混焼を想定し,バイオマス粒子をボイラ火炉内に投入した場合のバイオマス粒子の軌跡,および粒子の平均温度履歴を数値シミュレ−ションにより解析した.垂直方向に5段設置されている微粉炭バーナの最上段,中段,および最下段からそれぞれバイオマス粒子を投入すると,例えば体積相当直径が3 mmの粒子は,粒子平均温度が1000°C以上の状態で炉内に存在する時間がそれぞれ1.5 s,2.5 s,および2 sと評価され,完全燃焼には中段からの投入が有利となることなどが予測できた.
- 2006-03-20
著者
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武野 計二
三菱重工業(株)長崎研究所
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一ノ瀬 利光
三菱重工業(株)長崎研究所
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武野 計二
三菱重工業
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一ノ瀬 利光
三菱重工業(株)技術本部長崎研究所
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一ノ瀬 利光
三菱重工業 長崎研
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武野 計二
三菱重工業(株)技術本部 高砂研究所
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