不安に及ぼす身体不調感と将来展望の影響 : 若年・中年・高齢者の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「抑制不安」(潜在内生変数)に及ぼす「将来展望」と「身体不調感」(いずれも潜在外生変数)のパス係数が若年, 中年, 高齢の3群において, 共分散構造分析を通して比較された.179名の若年, 180名の中年, 160名の高齢者が, 時間的展望体験尺度(白井, 1994)などの評定, 健康状態の評定および身体不調項目のチェックを行った.前者の因子分析を通して負荷量の高かつた3項目が「将来展望」に対して, また, 後者の2変量が「身体不調感」に対して, それぞれ観測可能な内生変数として用いられた.さらに山本(1992)の不安尺度に対する評定値の因子分析を通して選別された不安尺度3項目を「抑制不安」に対する観測可能な内生変数として用いた.多母集団の同時分析によれば, 「抑制不安」に及ぼす「身体不調感」のパス係数は3集団間でほぼ同じ0.4であつた.それに対して, 「抑制不安」に及ぼす「将来展望」のパス係数は中年群においてのみ, -0.36で有意に高かつた.
- 日本心身医学会の論文
- 2005-12-01
著者
関連論文
- 人格3041 高齢者における不安について(2) : 不安因子とPGCモラールの関係(1)
- PA112 高齢者における不安について (1) : 成長思考不安、神経症的不安、達成不能不安の測定
- 6. Social Drinkersの飲酒時における記憶についての実験的研究(第18回日本心身医学会中部地方会演題抄録)
- 誘導刺激の促進効果--検査刺激の輝度閾の下降について
- IA-1 アルコールの記憶に及ぼす影響(神経薬理・化学)
- 日本、韓国、中国の若者における不安と自我成分の関係
- 日本・韓国・中国の若者の「不安構造」及びその成分の比較
- 韓国の高齢者と若者の不安構造及び時間的展望の比較
- 日韓高齢者の不安構造の比較
- 『精神分析入門』における「不安」概念に関する覚え書き
- 訳「運動視に関する実験的研究」 Max Wertheimer, 1912
- 高齢者における不安について(9) : 孤独感と不安3因子の関連について
- P2085 高齢者における不安について(5) : その不安構造の再吟味(1)
- 441 現代青年の悩みと不安に関する調査研究(4)(人格(9),口頭発表)
- 誘導刺激の促進効果--検査刺激の輝度閾の下降について
- 不安に及ぼす身体不調感と将来展望の影響 : 若年・中年・高齢者の比較