昇温脱離分析によるチタンの侵食に対する酸化膜の働きの評価
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概要
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チタン(Ti)は活性な金属であるが, その酸化膜が耐食性を付与している.したがって, 酸化膜を制御することが, その利用にあたり不可欠な要因である.本研究では, 純Tiを大気中800℃で熱処理し, 酸化膜を形成した.また, 熱処理した試料とその酸化膜を除去した試料を酸性フッ化ナトリウム溶液に浸漬した.昇温脱離分析により, 各試料から脱離する分子を測定し, 酸化膜のTiの保護効果について検討した.その結果, 脱離した分子が特定でき, かつ水素が試料から脱離する量が定量できた.酸化膜の有無により, 水素の脱離挙動, 化学的侵食は著しく異なっていた.以上のことから, Tiの化学的性質には表面被膜の状態が大きく影響し, その評価には昇温脱離分析法が有効な検証方法であると結論した.
- 2005-10-25
著者
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