気化器(<特集>全身麻酔器の現況と展望)
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概要
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気化器は, 揮発性麻酔薬の正確な濃度を規定するための麻酔器の重要なパーツである. 揮発性麻酔薬は室温, 大気圧下で液体であり, これを蒸気(気体)に変えるには密閉した容器でできた気化器が必要となる. 現在(2005年), 本邦で使用されている揮発性麻酔薬にはハロタン, エンフルラン, イソフルラン, セボフルランがあり, それぞれ沸点, 飽和蒸気圧, MAC等の特性は異なっている(表1). 気化器の密閉容器内では液状の麻酔薬とその蒸気とが, ある一定の圧(飽和蒸気圧)で平衡状態になっている. この飽和蒸気圧は先に述べたように揮発性麻酔薬の種類によって異なっているため, それぞれの麻酔薬に対応した気化器が必要となる. また, 飽和蒸気圧は温度に依存しており, 温度が高くなると大きく(気化しやすく), 温度が下がると小さく(気化しにくく)なる. したがって温度の変化は麻酔ガス濃度に直接影響するので, 気化器は比熱の高い金属で作られ, 内部の温度の影響を最小限にするようにされている.
- 2005-08-01
著者
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土肥 修司
岐阜大学医学部麻酔・疼痛制御学講座
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土肥 修司
岐阜大学大学院医学研究科麻酔・疼痛制御学分野
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土肥 修司
総合大雄会病院 麻酔科
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土肥 修司
岐阜大 医 病院 麻酔科・蘇生科
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道野 朋洋
岐阜大学大学院医学系研究科麻酔・疼痛制御学
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