非コンピュータ麻酔器の現況と展望(<特集>全身麻酔器の現況と展望)

概要

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非コンピュータ麻酔器という名称から頭に浮ぶ麻酔器は, 電気を用いていない, 作動は全て気体つまり医療ガスの圧力で行っている機種である. ただし, 電気を全く用いていなかったかというとそうでもなく, 警報関係に電気を利用した機種は以前より数多くみられていたし, 電気駆動の麻酔用人工呼吸器も一般的であった, しかし, 最近の麻酔器では電気使用の対象は警報関係のみではなくなって, コンピュータへの電気供給が主となりつつある. これはコンピュータを含むエレクトロニクスの進歩を取り込むことにより, 従来型の麻酔器とは異なったメカニズムで作動させることが可能になってきたからである. 特に流量計, 気化器, 麻酔用人工呼吸器などにはその傾向が著しく, 麻酔器全体をコンピュータにより総合的にコントロールするような機種も出てきている. しかし, 従来型麻酔器の特徴的メカニズムである純粋に機械的な構造やガス圧を利用した部分も多く, 基本的には酸素, 亜酸化窒素, 治療用空気, 揮発性麻酔薬などを麻酔呼吸回路に供給することが目的の器械であることを物語っている.
日本医療機器学会の論文
2005-08-01