野生サクラ属3種に葉巻を作るチョウ目幼虫の種構成と寄主選好性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
仙台市の台原森林公園において2004年4月上旬から7月下旬までの4カ月間, 週1回, カスミザクラ, チョウジザクラ, ウワミズザクラに葉巻を作る蛾類の種構成と寄主選好性を調査した.その結果, 合計で2科8種の蛾類が確認された.カスミザクラからは, ツママルモンヒメハマキ, カクモンハマキ, ミダレカクモンハマキ, ムラサキカクモンハマキ, サクラキバガ, カバイロキバガの2科6種が確認され, 最優占種はツママルモンヒメハマキで, 当年枝100本あたりの平均幼虫数は3.80であった.チョウジザクラからはナツハゼヒメハマキ, カクモンハマキ, サクラキバガの2科3種が確認されたが, いずれの種も当年枝100本あたりの平均幼虫数は0.13と非常に低い密度であった.ウワミズザクラからはクロネハイイロヒメハマキただ1種が確認されたが, 当年枝100本あたりの平均幼虫数は16.80と, 今回確認された蛾類8種の中ではもっとも密度が高かった.樹種間の蛾類種構成の類似度QSは0.44以下と低く, とくにカスミザクラとウワミズザクラ, チョウジザクラとウワミズザクラ間のQSはいずれも0であった.以上の結果, 同所的に自生する野生サクラ属3種であるが, 葉巻を作る蛾類の種構成は樹種によって大きく異なることが明らかになった.
- 2005-05-25
著者
関連論文
- ヒメギフチョウ青葉山個体群の産卵適地選好要因
- F212 青葉山のチョウ類の多様性に関する最近の知見
- F102 イネクビボソハムシのアセチルコリンエステラーゼのcDNAと予想されるタンパク質配列(毒理学・殺虫剤作用機構・抵抗性飼育法)
- イネクビボソハムシのカーバメート剤抵抗性とアセチルコリンエステラーゼの感受性低下
- 大雪山高山帯における訪花性ハエ目,ハチ目の種構成
- 野生サクラ属3種に葉巻を作るチョウ目幼虫の種構成と寄主選好性
- コバネイナゴの3色彩型決定要因としての遺伝
- B116 コバネイナゴの3色彩型決定要因としての遺伝(形態学・組織学,発生学・遺伝学,生活史・分布)
- ヒメアメンボ成虫の薬剤感受性
- アメリカシロヒトリとその寄生性天敵ブランコヤドリバエの薬剤感受性
- F121 コバネイナゴにおける体色多型の季節消長と薬剤感受性(生態学)
- 山形県産ニカメイガのフェニトロチオン抵抗性とカルボキシルエステラ-ゼのアイソザイムパタ-ンに見られる西国型ニカメイガとの共通性
- DW3-1 昆虫の農薬への適応とそのメカニズム(殺虫剤作用機構談話会)
- B-27 モモノゴマダラノメイガの性フェロモンの生合成リズムとコーリング行動リズムの時間的ずれ(生理学・フェロモン)
- モモノゴマダラノメイガ2系間の生殖隔離
- B-9 モモノゴマダラノメイガ2系統の生殖隔離の要因(行動学・日周行動・配偶行動)
- 333 モモノゴマダラノメイガの性フェロモンの生物検定法