牛乳の調理がカルシウムの腸管吸収に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
効率のよいカルシウム摂取のためには, 日々の食事を有効に活用することが重要である。そのために, 食材中のカルシウム(Ca)含量だけでなく, 調理によるカルシウム吸収効率の変化を明らかにする必要である。本報では, 未調理ならびに調理済みの牛乳の人工消化処理液をCaco-2細胞単一層に添加し, 調理によるCa吸収への影響を検討した。未調理の牛乳中のCaは, 他のCa源よりも吸収量が多かった。しかし, きなこや抹茶粉末を添加すると, 無添加の牛乳と比較して有意にCa吸収量が低下した。また, 65℃の加熱したホットミルクやベシャメルソースに調理しても, Ca吸収は低下した。また, これらのCa吸収量の変化は, 抹茶粉末添加の場合は細胞間経路の阻害により, 他の試料の場合は, Caの溶解度変化など細胞間経路に対する間接的な影響によることが示唆された。このように, 食事からの効率的なCa吸収のためには, 調理によるCa吸収の変化について考慮する必要がある。
- 2005-04-20
著者
関連論文
- 食経験が嗜好に及ぼす影響 : 味噌の嗜好調査から
- 家庭の味付けが塩味嗜好形成に及ぼす影響 : 味噌汁の呈味調査から
- 生育光条件の異なるブロッコリースプラウトが腸管上皮細胞からのIL-7・TGF-β分泌に及ぼす影響
- 牛乳の調理がカルシウムの腸管吸収に及ぼす影響
- だしの風味に対する嗜好性
- だしの風味と減塩(トピックス&オピニオン)
- 同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科調理科学研究室(研究室紹介)
- においが食嗜好に及ぼす影響 : 味噌の嗜好調査から
- 調理操作が青首ダイコンの免疫調節機能に及ぼす影響
- 年齢層による年中行事の認知と実施状況の相異
- 家庭の味付けが塩味嗜好形成に及ぼす影響