赤、黄、緑、青への白色量、黒色量の知覚的な加法性について

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赤、黄、緑、青への白色量および各色への黒色量の知覚的な加法性について、回転混色法により顕色される表面色(2色混色)の心理測定実験により検討した。回転混色により顕色される表面色は、円盤上に扇形に配置された色紙の中心角により、物理的に規定される。赤、黄、緑、青の各色に、比率を変化させた白または黒を混色し、各色に対する白色量、黒色量と規定した。実験1では、各色と白、各色と黒の2色混色系列に対する色み、白み、黒みの知覚量を被験者(12名)各自の心理原色を基準に測定し、白色量、黒色量に応じて、それぞれの知覚量がどのように変化するかを調べた。実験2では、同じ被験者により、同じ2色混色系列に対する色み、白み、黒みの知覚量および2色間の知覚的な混色比率を同時呈示された物理原色を基準に測定し、原色知覚における量尺度と比率尺度との関係を調べるとともに、色原色(赤、黄、緑、青)を基準とした場合に、混色がどの程度あかるい-くらい、こい-うすい、あざやかな-くすんだかを3形容詞対の7段階評定により測定し、白、黒の知覚と色調の変化との関係を調べた。その結果、色知覚における白色量の加法性と黒色量の加法性に、いくつかの差異が認められた。1.白は、色原色の性質を保ちながら加わっていくのに対し、黒は、色調を変化させながら加わっていく傾向を示した。2.白を加えた混色系列における色み量と白み量は、量尺度においても比率尺度的な判断が行われるのに対し、黒を加えた混色系列における色み量と黒み量は、量尺度において独立に判断される傾向を示した。3.白み加法性は、知覚色における量的な変化として成り立つのに対し、黒は、色調としての知覚に影響を及ぼしながら、独立に加わっていくことから、知覚色の質的な変化に大きく関与することが示唆された。
日本色彩学会の論文
2000-06-01

赤、黄、緑、青への白色量、黒色量の知覚的な加法性について

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