貧血と低蛋白血症に対し胃全摘術が有効であった胃限局性若年性ポリポーシスの1例
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概要
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症例は60歳の男性で,40歳時に胃ポリポーシスを指摘され毎年経過観察を行っていた.持続する貧血と低蛋白血症に対し鉄剤投与,プロトンポンプ阻害剤内服,Helicobacter pylori除菌などの内科的治療を行ったが抵抗性であり,症状の増悪をみたため胃全摘術を施行した.摘出標本では胃全体に無数のポリープが密生しており,一部皺襞の肥厚も認めた.明らかな家族歴はなく,皮膚・毛髪・爪に異常所見を認めず,病理組織検査を含め胃限局性若年性ポリポーシスと診断した.若年性ポリポーシスの胃限局型は自験例を含め本邦で20例報告されており,そのうち9例で腺癌を合併していた.長期予後は良好であり,治療として積極的な外科的切除を考慮すべきであると思われた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2004-09-01
著者
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久米田 茂喜
長野県立木曽病院 外科
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久米田 茂喜
県立木曽病院外科
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久米田 茂喜
伊那市国保美和診療所
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小松 大介
長野県立木曽病院外科
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大谷 方子
信州大学病理学講座
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高橋 耕平
長野県立木曽病院外科
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青柳 大樹
信州大学病理
-
大谷 方子
信州大学 病理
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