<特集>がんの2次予防(<特集>第8回都民公開講座「新時代のがん予防・治療・ケア」)
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概要
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がん検診は無症状の時期に検査をして,手遅れにならないうちに早めにがんを発見して治療するものである.がん検診に関して,(イ)治療しなくても自然に消える,あるいは生命に危険を及ぼさず墓場まで持っていくがん,(ロ)自覚症状が出てから検査を受けて治療すれば助かるがん,(ハ)無症状のうちに検診で発見されれば助かるが,検診を受けないでいると手遅れになるがん,(ニ)検診で無症状の時に見つけても既に手遅れになっているがん,の4つに分類できるが,検診の効果があるのは(ハ)のがんだけであり,この割合が高いほど検診の効果が大きいことになる.がん検診を受けているとがんで死ぬ確率はもちろん低くなるがゼロになるわけではない.肺がんは単純間接X線撮影,胃がんは間接もしくは直接X線造影検査,大腸がんは便潜血検査,子宮頸がんは擦過細胞診,乳がんは視触診が一次検査である.精密検査に回されるうち,一番高い子宮頚がんで17人に1人,低い胃がんで100人に1人が本当のがんであるというのが,検診の実状である.がん検診というのは自覚症状のない人があくまでも対象なので,自覚症状がある人は緊急に治療が必要な場合や,がん以外の別の病気で治療が必要な場合があるので,近医に相談するか専門の病院を受診すべきである.これからのがん検診として,血液で前立腺がんの検診がいま研究段階で実用化直前のところにきている.ペプシノゲンが,胃がん検診に一部応用されているが,見逃しが多いというような欠点があるのでそれを補う必要がある.肺がんについては,ヘリカルCTが開発されて実用に近いところまできているが,まだ診断面で課題がある.将来的には,家族歴とか生活習慣・遺伝子を調べることが可能となりつつあるので,個人個人の部位別のがんの危険度によってがん検診のメニューをかえてやることも今後必要になってくると思われる.
- 順天堂大学の論文
- 2001-12-25
著者
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