原発性胆汁性肝硬変におけるIgMクラス抗M2抗体(ELISA法)の血清診断的意義-Western blot法による解析-
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概要
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原発性胆汁性肝硬変(PBC)においてELISA法によるIgMクラス抗M2抗体測定系を新たに開発し,本抗体の血清診断学的意義を検討した.臨床病理学的にPBCと診断された139例を対象に,蛍光抗体間接法による抗ミトコンドリア抗体(AMA), ELISA法によるIgGクラスM2抗体,およびIgMクラス抗M2抗体価を測定した結果,陽性率は各々75.5%, 65.5%, 82.7%と,IgMクラス抗M2抗体が最も高率であった.IgMクラス抗M2抗体は,対照とした健常成人,自己免疫性肝炎,ウイルス性慢性肝炎や各種膠原病疾患では検出されなかった.さらに,対象139例中,AMAやIgGクラス抗M2抗体が検出されず,IgMクラス抗M2抗体のみが陽性であった17例の全例でWestern blot法によって,M2主要対応蛋白が少なくとも1つ以上検出された.<BR>PBC,とくにAMA陰性例の血清診断には,Western blot法によるM2主要対応蛋白の検出が求められるが,今回開発したELISA法によるIgMクラス抗M2抗体の検索は,より簡便であり,Western blot法の成績とよく相関したことから,PBCの血清診断に極めて有用であると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 1996-12-25
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