疎水化多糖の集合体形成とその機能
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概要
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水溶性多糖類にコレステロール基などの疎水基を部分的に置換した疎水化多糖は, 希薄水溶液中で自己会合により非常にサイズのそろった安定なナノ微粒子を形成し, また, 準希薄水溶液中ではゲル化した。会合体の構造特性は, 疎水基の置換度や構造を変えることで制御しえた。ナノ微粒子は, 疎水性分子をはじめとして, 水溶性タンパク質などの高分子とも選択的に相互作用し, 安定な複合体微粒子を形成した。複合化したタンパク質は, 他のタンパク質との交換反応やシクロデキストリンの添加により活性を保持した形で取り出せた。この変性タンパク質の捕捉と放出という高分子間会合の制御を利用して, 天然の分子シャペロン類似の新しい酵素の熱安定化システムを構築することができた。また, 疎水化多糖は, リポソームやO/Wエマルションを被覆安定化し, ドラッグデリバリーシステム (DDS) として利用しえた。
- 社団法人 日本油化学会の論文
- 2000-05-20
著者
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