グロリオサ「ミサトレッド」および「サザンウィンド」の砂地施設畑における養分吸収特性
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概要
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グロリオサ「ミサトレッド」および「サザンウィンド」について、高知市三里地区の砂丘未熟土、施設畑ほ場において栽培を行い、養分吸収特性を明らかにした。1.乾物重は、両品種とも定植30日後まではほとんど変化しなかったが、それ以降急激に増加し、新塊茎掘上期の総乾物重は、株当たり43〜46gであった。部位別乾物重では、出蕾期から茎葉で増加し、採花期には全乾物重の約6割となった。また、新塊茎重は、採花期には全乾物重の約2割であったが、掘上期には5割と大幅に増加した。2.三要素の総吸収量は1m2当たり「ミサトレッド」では、窒素6.2g、リン酸1.3g、加里9.2g、「サザンウィンド」では、それぞれ5.9g、1.4g、10.1gであった。石灰、苦土を含めた多量要素の吸収量は、「ミサトレッド」では、採花期までに6〜7割が吸収され、石灰を除いて新塊茎養成中期までにほぼ全量が吸収されたのに対して、「サザンウィンド」では、採花期までに5〜7割、新塊茎養成中期までに9割が吸収された。3.養分吸収量の推移は、乾物重と同様の傾向を示す養分が多かったが、石灰および鉄は、新塊茎への蓄積が他の養分に比べて少なく、石灰では、掘上期の総含有量の7〜13%、鉄では、9〜10%であった。4.摘心期から採花期における花蕾のリンおよび亜鉛含有率は他の部位に比べて高く、採花期のそれぞれの含有量は総含有量の17〜24%であった。5.鉄の総吸収量は、マンガン、亜鉛よりも著しく多かった。6.三要素施用量に対するみかけの養分利用率は、両品種ともに低く、窒素では30〜31%、リン酸では4〜5%、加里で30〜34%であった。
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