震災時における聴覚障害者の情報授受の課題 : 人と人との関わりとコミュニケーションの視点から
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概要
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本研究は、震災直後の聴覚障害者の情報授受の問題と今後の課題を明確にすることがねらいであり、情報を伝える側と受ける側の両側面を通して、人と人の関わりをコミュニケーションの視点から考察するものである。震災直後では、人々は家族、知人の安否情報、避難情報、生活維持のための情報が絶たれたことにより不安が増大した。特に、聴覚障害者にとっては、健聴者の一番の情報源であるラジオが使用できず、また口頭で伝えられる情報も入らない。避難所では口頭の指示は理解できず、人とコミュニケーションをとりながら情報を得ること自体に難しさを感じ、不安と精神的負担が大きくなる。本稿は震災シンポジウムから得た聴覚障害者の意見と事前の質問紙調査の結果を通して、震災後の人と人との関わり、情報授受に関する不安と課題を再考する。また、「見えるラジオ」の現状を伝えるとともに、災害時に災害情報を正確に、迅速に、簡潔に伝える「やさしい日本語」が、外国人のみならず、聴覚障害者にも情報授受の観点から有効であることを提示する。This study aimed to clarify problems with giving and receiving of information by hearingimpaired persons after the earthquake disaster and to rethink interpersonal communication through information. After the earthquake, people were concerned about getting information on the whereabouts and safety of family members, friends and acquaintances, evacuation areas and the status of life lines. People received a lot of information from the radio and by word of mouth; however, hearing-impaired persons could not get such information. They had a hard time to get real on time information in the disaster area and shelters. Through questionnaires we got data from hearing-impaired persons who were in shelters and the disaster area. Responses from these questionnaires combined with information from the Symposium of Earthquake Communication clearly show the need to examine the giving and receiving of information after a disaster. We need to reconsider the use of "Mieru-radio/ teletext broadcasting." Furthermore, we suggest the use of "Yasashii-Nihongo /Easy-Japanese" during stays at shelters is not only beneficial for foreigners but also for hearing-impaired persons.
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