家族介護者の睡眠と血圧日内変動と疲労感の追跡調査
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概要
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: We prospectively followed family caregivers to examine changes insleeping patterns, ambulatory blood pressure, and fatigue status three years afterthe initial survey. : 67 family caregivers who enrolled in the first survey conductedbetween 2001 and 2004. : We asked the participants to enroll in the follow-up survey by mail.We interviewed care condition and asked to write self-reported activity recordingfor those who gave the written informed consent. An actigraph was used todetermine sleep status and ambulatory blood pressure was monitored for 24-hourperiod. The Cumulative Fatigue Symptoms Index-Housewife was used. Theresearch proposal was approved by the ethics committee of the faculty of Medicine,Kanazawa University. : The changes in the first and second survey results were tested bythe Wilcoxon matched-pairs signed-ranks test according to presence of continuationof home care. : Of 67 eligible participants, 66 were alive. Of those, two werehospitalized, and 24 remained as primary caregivers. Thirty-three participantsagreed to enroll in the second investigation. Fourteen participants continued homecare and 19 ceased to provide care because of the death or hospitalization of carereceivers. Of 14 caregiving participants, no significant changes were found forsleep status, blood pressure measurements, and fatigue status although the numberof participants with hypertensive treatment increased by two.In 19 non-caregivers group, nap time in the daytime became significantly longerand the mean duration of nap increased by 54 minutes, and chronic fatigue wasrelieved significantly. No significant changes in the blood pressure measurementswere detected although additional two people were under hypertension medication. : This study did not show any clear difference of health conditionbetween those continuously engaged in home care and those who had discontinuedgiving care. In the 19 former caregivers, the daytime nap time was significantlyincreased with a reduction in the feeling of fatigue. These results may beattributable to the cessation of home care. : The cessation of caregiving activities led to increased nap timeand contributed to the reduction of chronic fatigue. The increasing number ofparticipants with hypertensive treatment suggests additional care is necessary foraging participants, especially for those continue to provide care.【目的】介護を長期間続けることによる心身への影響を明らかにするため、家族介護者の3年後の転帰と、同一者の3年後の睡眠、血圧日内変動、および疲労感の追跡調査を行った。【対象】2001年から2004年に行った初回調査から3年経過した家族介護者67名。【方法】対象者の転帰を郵送で調査し、再調査を依頼した。書面での同意を得た者に対し介護状況に関する面接調査と24時間自記式行動調査を行った。Actigraphにより24時間の睡眠時間を測定した。携帯型無拘束間接型血圧装置により24時間の血圧変動を測定した。疲労感は The Cumulative Fatigue Symptoms Index-Housewifeより調査した。【分析】初回調査と追跡調査の比較は、在宅介護の継続の有無別に、事例ごとに対応したWilcoxon符号付き順位検定を行った。【結果】家族介護者67名の3年後の状況は、66名が生存しており、そのうち2名は入院、在宅介護を継続していた者は24名だった。64名中、追跡調査に同意した者は33名だった。そのうち在宅介護を継続していた者が14名、要介護者の死亡や入院により介護していなかった者が19名だった。在宅介護を継続していた14名の初回調査と追跡調査の結果を比較した結果、睡眠時間、血圧、疲労感には有意差がみられなかった。3年後の降圧剤内服者は2名増えて8名だった。介護していなかった19名は、3年後の方が日中の仮眠時間が有意に長く平均54分増えており、疲労感が有意に軽減していた。血圧には有意差がみられず、内服者は2名増えて8名だった。【考察】本研究では、在宅介護継続者と介護を継続していなかった者との間に健康状態の有意な差は認められなかった。介護を中断していた19名は、日中の仮眠時間が有意に長く疲労感が軽減していた。このことは在宅介護を継続していなかったことに起因すると考えられる。【結論】介護の中断は、仮眠時間が増えて疲労感の軽減に貢献することが示唆された。高血圧の治療者数の増加は、加齢、とくに在宅介護を継続していくためには、高血圧の治療の追加が必要であることを示していると考える。
著者
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