牛の排出物を原料とした戸別バイオガス発生設備 : ―インドネシア・ロンボク島における実証―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
開発途上国の環境整備においても,地球環境の視点から取り組むことがより重要になりつつある.インドネシア国,西ヌサテンガラ州に属するロンボク島の農村部では,生活エネルギーの中心となる炊事エネルギー源の多くを薪に依存し,周囲の丘陵山間部からの伐採でまかなっている.同島では生活水準向上のために,畜産が重要な位置を占めているが,伐採した樹木の葉や細い枝も飼料として利用するなど,エネルギーと畜産振興が環境に与える負荷は大きい.しかし,多くの開発途上国の場合と同様に,畜産廃棄物に対する環境対策は講じられていない.インドネシア国の中央政府,および西ヌサテンガラ州政府は,この地域を畜産の振興によって経済発展させる計画を持っているため,今後,家畜数の増加に伴い,畜産廃棄物による地下水汚染など,環境問題の深刻化が懸念される.本研究は,このような状況の中で,戸別バイオガス発生設備をこの地域に導入し,畜産廃棄物である牛ふんを原料としてメタンガスを供給し,炊事用エネルギー源の薪からの脱却を図り,環境と生活に与える効果を検証した.本設備は,農家が戸別に対応できる仕様で十分な機能を発揮し,環境負荷を低減することが明らかになった.
著者
関連論文
- 牛の排出物を原料とした戸別バイオガス発生設備 : ―インドネシア・ロンボク島における実証―
- 生物膜法を用いた小規模排水処理における炭素繊維ろ材の実用性
- 生物・電気化学プロセスによる畜産排水からの窒素除去の可能性
- 乾燥地・半乾燥地における都市下水排水処理
- フェルト状炭素質担体を浸漬した活性汚泥反応槽の窒素除去特性
- 接触曝気方式の高度化における生物活性炭を用いたろ材の有効性
- 既存水資源の高度利用と開発途上国農村の水環境整備--調査と計画 インドネシア国,西ヌサテンガラ州の事例より
- 20-5 余剰汚泥抽出腐植物質を用いた乾燥地域アルカリ化塩類集積土壌改良効果(20.土壌改良資材,2009年度京都大会)
- バイオアッセイを用いた乾燥地・半乾燥地における排水処理の性能評価
- 加熱処理軽石土による畜産排水二次処理水の脱色効果および熱再生効果
- 既存水資源の高度利用と開発途上国農村の水環境整備 : 調査と計画 インドネシア国, 西ヌサテンガラ州の事例より
- 牛の排出物を原料とした戸別バイオガス発生設備 : インドネシア・ロンボク島における実証
- 乾燥地・半乾燥地における排水再利用による水環境整備
- 乾燥地・半乾燥地における排水処理装置の開発と生物化学的処理特性
- 回分式活性汚泥法におけるDOをパラメーターとした曝気制御
- バイオエレクトロ法による下水処理水からの硝酸態窒素の除去
- 農業から見た水循環と水再利用
- 接触曝気方式による窒素除去高度化に関する実証的研究
- 曝気槽前置システムによる接触曝気方式の窒素除去の高度化
- 簡易バイオガスプラントによる開発途上国村落の生活環境整備 : インドネシア国、西ヌサテンガラ州での小規模家畜飼養農家の事例より