<論文>介護支援専門員のケアマネジメント業務の現状と課題 : 『介護支援専門員のケアマネジメント業務に関する調査』より
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概要
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現在の介護保険制度の下,介護サービス提供におけるケアマネジメントの"要"である介護支援専門員のケアマネジメント業務の実態を把握し,その問題点や今後の課題について検討するために『介護支援専門員のケアマネジメント業務に問する調査』を実施した。調査対象は,首都圏N県の居宅介護支援事業所に所属する介護支援専門員,調査方法は質問紙調査である(有効回答票=408)。調査項目は,ケアマネジメントのプロセスごとにその内容についてどのようなことを行っているかを中心に選定し,1.ケアマネジメントを始めるにあたっての説明と合意,2.アセスメントの際の情報収集,3.ケアプランの作成,4.職種間の連携,5.モニタリングとケアプランの見直し,6.社会資源の把握に関するものなどである。分析方法は,単純集計,クロス集計,平均値の差の検定などを行った。その結果,アセスメントの際の情報収集では,15項目中9項目で7割以上情報収集・把握できているものの「地域・近隣との関係」については26%と特に低い。ケアプラン作成では「インフォーマルケア」は10%しか反映されておらず,ケアプランの見直しでは目標に関するものが約半数しか考慮されておらず,「地域との関わり」は17.6%と特に低い。社会資源の把握では「ボランティア・NPO(法人以外)」「インフォーマルケア」についての把握状況が非常に低い。サービス担当者会議は5割がほとんど開催しておらず,モニタリングについてもその必要性は感じているもののきちんと実施されているとはいえない状況であった。全体を通して,様々な要因が考えられるものの,現状のケアプランは目前にあるニーズに対するサービスの組み合わせになりがちで,本来のケアマネジメント業務が行われているとは言い難い状況であることが判明した。
- 2003-03-25
著者
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