カキ'前川次郎'における遅れ花着生数と樹体栄養との関係
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概要
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遅れ花の着生数と関連する体内栄養条件を明らかにするため、カキ'前川次郎'を供試し、収量と樹体内成分含有率および樹体内成分含有率と遅れ花数との関係について検討した。 1.遅れ花数は1樹当たり約150個、全着化数の約20%であり、樹間の変動係数は約90でかなりの変動が認められた。また、遅れ花数は正常花数と正の相関関係が認められた。 2.前年の葉中成分と遅れ花数との関係において7月の可溶性糖類と負の相関、8,9月のでんぷん含有率との間に正の相関関係がみられた。しかし、その因果関係は明らかでなかった。 3.遅れ花数と前年の収量との関係は明確でなかった。しかし、遅れ花数と休眠期のl年生枝中でんぷん含有率との関係は2年間全体では弱い正の相関関係が認められた。単年度では、2年中1年で正の相関関係がみられ、他のl年では正常花数の影響を除いた遅れ花数との偏相関関係は弱い正の相関関係がみられた。 休眠期における1年生枝中窒素含有率との関係は2年間全体で正の相関関係がみられ、単年度では2年中1年で正の相関関係、他の1年は相関関係は認められなかった。 4.以上のことから、遅れ花の着生に関する樹体の栄養条件としては冬季の炭水化物、窒素が重要と考えられた。
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